「危篤の祖母がドレス姿を見たいというので......」
そう相談を受けたのは今年の2月。
お話を伺うと、
いままで結婚式や撮影は考えていなかったが、地元の京都で入院をされているおばあちゃんが、結婚して佐賀にいる孫のドレス姿が見たいというので撮影をしたい。
とのことでした。
「おばあちゃんのもしものことを考えて、なるべく早く撮影しましょうか」
そんなやりとりがあって撮影はすぐに実現しました。
一通り撮影をした時点で、撮影はスタジオだけで良いとおっしゃってたお二人に提案をしました。
「おばあちゃんに佐賀で元気に暮らしてることを伝えるために、町並みでも撮影しませんか?」
そうして少し照れていた二人を半ば強引に連れてスタジオの外へ。
ハレノヒの目の前の通りはひな祭りの真っ最中。
しかも日曜日で人通りもたくさんありました。
『おばあちゃん、二人はこんな雰囲気のまちで暮らしているんですよ。』
そんな雰囲気が写真を通して届けばいいなと思いながら撮影しました。
そして少し進むとたくさんの人だかり。
(あっ、そうだ!)
と思い私は大きな声で呼びかけました。
「すみませーん!京都に二人のおばあちゃんがいるんですけど、佐賀でまちの人たちに囲まれて祝福されている写真を届けたいんで、撮影に協力していただけませんか?」
そうやって撮影された写真がこちら。
南京玉すだれの大道芸人さんやその観客、ボランティアの案内係りさんに警備の人まで。
快く協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
その後、この写真をおばあちゃんがご覧になったかはわかりません。
でもきっと見て喜んでくれたことを願っています。
おばあちゃんとご家族様そしてお二人、ご結婚おめでとうございます。