ハレノヒWeddingPhoto_Blog

佐賀の古民家リノベーション写真館「ハレノヒ」のウエディングフォトブログです。

病室の結婚式

令和になって初めてのクリスマスも近づいたある日。佐賀県内のとある病院に来ました。外は冷たい雨。ご依頼内容はウエディング撮影です。

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周りの景色を見渡せるその病室に集まったのは両家の親族27名。その中には闘病中の新婦のお父様もいらっしゃいます。

ウエディングドレスに身を包んだ新婦とタキシード姿の新郎が病室に入場すると皆からの大きな拍手。ベッドに横たわるお父様も必死に手を叩こうとされていました。

まず新郎新婦から両家のご両親にお礼の花束の贈呈。

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そしてお返しにご両親から手形のメッセージ付きフレームがお二人には渡されました。

お父様を囲んで記念写真。全員が笑顔で映るその姿がとても印象的です。

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そしてケーキ入刀とおよそ20分の結婚式。


「幸せにします。」
お父さんに伝えた新郎の言葉と
「愛しとるばい」
フレームに書かれた父から娘へのメッセージが全てを物語っているとても素晴らしい結婚式でした。

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メリークリスマス。
サンタさんがいつまでもお二人の幸せを見守ってくださいますように。

世代と文化を越える結婚写真

「40年前の母の結婚写真に憧れて、クラシカルな型物写真が撮りたい」

そのようなオファーが来たのは2月のことでした。
新婦は現役のプロフォトグラファーさん。
そしてプロではないものの新郎さんは昔からフィルムカメラで現像とプリントをしているほど写真にこだわりを持っていらっしゃるそうです。

今回新婦は振袖と白無垢の2着。背景もクラシカルがテーマということで、振袖には特別に背景布を用意しました。

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白無垢では私が好きな白背景で。
ここには4年前の4月にハレノヒブログで書いている文章を引用しておきます。

「……さてそのスタジオ撮影ですが、個人的にとても好きなんです。バック紙と言われる様々な色のスクリーンを使ったりするのですが、中でも白の背景が好みです。
なぜかというと、白の背景に人物がいるってことは、他に何もない分、その「ひと」を感じられるからです。その人の表情や、仕草、立ち方だけでその人を表現できるってとても素敵。
もちろん何もない背景は、ロケーションや小道具に頼ることができないので、考え方によってはとても難しいことなのだと思うのですが、でも好きなんです。……」


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白無垢写真

白の衣装に白の背景?と言われることもありますが、白背景によって無垢のイメージをさらに高めることができると考えています。

さて、今回のような二人立ち写真のことを、営業写真業界では「型物」とか「フォーマル」などと呼ばれ、ここ十数年はこのような昔ながらの写真はウエディング業界において好まれない傾向にあるようです。
飛んだり跳ねたりと楽しく撮影したり、海や山、街中などのロケーションで光の中に包まれた感動的で美しい写真など、多くのバリエーションが生まれ、結婚写真はより思い出や感動を作り上げるものへと進化を遂げました。
もちろん私もそのような写真をたくさん撮ります。

一方でこの型物と呼ばれる『婚礼衣装を着た二人が厳かに並んで写真を撮る』という写真と、親族全員で撮る『集合写真』の2カットは、結婚写真を象徴するとても大事な写真だと私は考えていて、お客様にもそう伝えています。

なぜなら「婚礼衣装を着て二人で並んで撮る」ということは世界共通、世代が変わっても結婚またはそれに準ずる誓いをしたことの象徴と映りますし、厳かさには将来への希望や喜び、また覚悟といった内なるものを感じることができるからです。

また今回は撮影できませんでしたが集合写真は、両家が結ばれ家族が増えたことや祝福、両親への感謝や賞賛など、結婚をした二人の周りにいる人々の喜びや安堵などの気持ち、そして歴史を物語る象徴的なものだと思っているからです。

ハレノヒのウエディング写真ではそんなクラシカルに見えながらも本質的、そして先進的な婚礼写真を追い求め、これからも大事にしていきたいと思っています。

新郎新婦さま、どうぞ末長くお幸せに。
何十年か後、まだ見ぬお孫さんが結婚するときに見せてあげてくださいね。
よかったらこちらの写真も一緒に。笑

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博多は晴天なり。重要文化財での前撮り

ご無沙汰してます。ハレノヒウエディングブログです。
はい、サボってました。すみません。

さてさて、今回は福岡県は博多での前撮りです。

福岡で前撮りすることは時々あるのですが、そのど真ん中「中洲」のすぐ近く天神中央公園内の洋館「貴賓館」での撮影でした。

 

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お二人の後ろに見える趣のあるこちらの建物が貴賓館。
重要文化財なのですが、写真撮影に使用できるとのことでお借りしました。

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エントランスからとても絵になる場所で、到着した時間には着物を着た若い女性5〜6人が写真撮影を楽しんでいましたよ。

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撮影は主に2階を使用しました。
洋館ですが、今回の衣装の白無垢にもピッタリ合いました。(窓から差し込む光に照らされる新婦がとても美しい......)

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ご自身の髪の毛で結った日本髪もよく似合ってました。


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クールな新郎さんはカッコよく。


そして撮影の終わりには誕生日を迎えた新郎さんに新婦からのサプライズケーキ!!!

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文化財なのでローソクに火はつけられませんでしたが、とても良い記念ですね。
新郎様おめでとうございます!!

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鹿児島や熊本から駆けつけてくださったご両親と記念に写真を撮ってこの日はめでたく終了です。

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当日の撮影もご依頼を頂いているので、またお会いできるのが楽しみです。




ハレノヒでは佐賀はもちろん、福岡や他県への出張撮影も受け付けています。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。

ウェディングフォト | Halenohi




家族に花嫁姿を見て欲しい〜国際結婚とその家族の物語。

少し前のことになりますが、私笠原が「写真館」を考える上でとても大切な撮影をさせていただきました。
その撮影とは国際結婚をされてハレノヒでフォトウエディングを行ったご夫婦とそのご家族のおはなしです。

 現在オーストラリアで生活をされているこちらのお二人は、2年ほど前に入籍をされたそうです。
日本人にも見えるご主人ですが、オーストラリア人なのでもちろん日本語を話すことができません。

実家の家族にどうしても花嫁姿を見て欲しいと思っていた新婦。
ご友人の紹介でハレノヒを知ったそうです。

撮影前、新郎より早く帰国した新婦が打ち合わせに来てくださったのですが、
その打ち合わせの中ですこしだけ不安を持たれているとのおはなしが。

その不安とは……

 

「お父さんは撮影に来てくれるだろうか……」
実は新婦のお父さんには夢があったそうです。

「娘が結婚したら、娘の旦那と一緒に酒を飲みながらたくさん話したい。」

そんな思いを持っていたお父さんの前に、娘と一緒に現れたのは

『日本語を話すことができない、異国の男性』
でした。
しかもお酒も飲めないとのこと......
その時、お父さんにはもちろんご家族にも複雑な思いがあっただろうことは容易に想像ができます。

 

そして撮影当日。

ご家族の説得もあったのかもしれません。
お父さんがお母さんと一緒に来てくださいました。

 

撮影の序盤、娘と一緒に写るお父さんの表情はまだ複雑そうです。

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しかし(そんな状況だとは知らない?)とても明るい新郎の性格のおかげもあって、和やかに時間は進んでいきます。
サムライ好きの新郎のために、サプライズで衣装屋さんが刀を用意してくれてはしゃぐ新郎。

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そんな様子を見てお父さんもやっと笑顔を見せてくれていました。
新婦のお色直しの間には、唯一の共通点である「TOBACCO」で和む二人。

 

「俺はいいけど、お前はまだ若いんだから禁煙しろよ。」

「お父さんもダメだよー」

 

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そこには言語の壁を超えて会話する新しい親子の姿がありました。

 

お色直し後、
白無垢に着替えた新婦をスタジオに立たせた私は
お父さんをカメラの前に立たせ、撮影するように促します。

 

父の目の前には婚礼衣装に身を包んだ、娘。

娘の前には古風だけれどもいつも優しい、父。

そして傍らでその様子を見守る、母。

 

そんなさまざまな思いを抱えたその親子が撮影した3枚には、
私が考える婚礼写真と写真館の理想の「じかん」と「思い」が写っていました。

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家族にはそれぞれかけがえのないストーリーがあります。
それを忘れずに、これからもハレノヒは地方写真館としての挑戦を続けていきたいと思っています。

 

佐賀のおばあちゃんの思い出でもあるという「ばんこ」の前で笑顔のお二人。

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また佐賀でご家族の皆様と一緒にお会いできるのを楽しみにしています!

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末長くお幸せに。

 

孫のドレス姿が見たい......

「危篤の祖母がドレス姿を見たいというので......」

そう相談を受けたのは今年の2月。

 

お話を伺うと、
いままで結婚式や撮影は考えていなかったが、地元の京都で入院をされているおばあちゃんが、結婚して佐賀にいる孫のドレス姿が見たいというので撮影をしたい。

とのことでした。

 

「おばあちゃんのもしものことを考えて、なるべく早く撮影しましょうか」

 

そんなやりとりがあって撮影はすぐに実現しました。

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一通り撮影をした時点で、撮影はスタジオだけで良いとおっしゃってたお二人に提案をしました。


「おばあちゃんに佐賀で元気に暮らしてることを伝えるために、町並みでも撮影しませんか?」

 

そうして少し照れていた二人を半ば強引に連れてスタジオの外へ。

 

ハレノヒの目の前の通りはひな祭りの真っ最中。
しかも日曜日で人通りもたくさんありました。

 

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『おばあちゃん、二人はこんな雰囲気のまちで暮らしているんですよ。』
そんな雰囲気が写真を通して届けばいいなと思いながら撮影しました。

 


そして少し進むとたくさんの人だかり。

(あっ、そうだ!)

と思い私は大きな声で呼びかけました。

「すみませーん!京都に二人のおばあちゃんがいるんですけど、佐賀でまちの人たちに囲まれて祝福されている写真を届けたいんで、撮影に協力していただけませんか?」

 


そうやって撮影された写真がこちら。

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南京玉すだれの大道芸人さんやその観客、ボランティアの案内係りさんに警備の人まで。
快く協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました。


その後、この写真をおばあちゃんがご覧になったかはわかりません。
でもきっと見て喜んでくれたことを願っています。

おばあちゃんとご家族様そしてお二人、ご結婚おめでとうございます。



家族10人だけのレストランウエディング@シャトー文雅

前回に引き続き、10人の家族ウエディングのお話です。


披露宴は終始和やかな雰囲気で進みました。

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余談ですが、こちらの会場は撮影に入るといつもお腹が空いてしまいます。笑

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特に有名なのはこちらのカレー。通常の披露宴でもこのカレーがビュッフェ形式で振る舞われ披露宴中に行列を作る姿をよく見かけるほどなんですよ。

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披露宴の終盤には新郎新婦から一人一人に手渡しでプレゼント。


実は、現在佐賀に住んでいる新婦は、結婚を機に新郎の住む横浜へ引っ越すことが決まっています。お世話になった家族と抱き合ってお互いの幸せを願いました。

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大人数の結婚式だとなかなかゆっくり家族の時間を過ごすことが難しかったりしますが、このように家族だけの披露宴で両家がコミュニケーションをとり、家族になっていく時間もとても良いなと思いました。

 

 

 

宴の最後には佐賀に残る姉妹からのお返しの歌。

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結婚式は家族の存在に感謝する場であると同時に、別れの場でもあるとすごく感じる場面でした。

 

 

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新婦の両親に「任せて下さい。」と新郎の両親。
旅立たせる親と迎え入れる親のお互いを思いやる気持ち。
結婚式はやっぱり家族にとって大事な時間なのだと思います。

 

 

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この日、改めて強い絆で結ばれたご両家。末長くお幸せに!

 

 

 

ファーストミート×2(?) at.シャトー文雅

ハレノヒ・ウエディングフォトブログ。

今回の舞台はこちらです。
佐賀のレストランでは超有名な、シャトー文雅さん。

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一人佇み佐賀の風景を眺める新郎さん。心なしか緊張気味でしょうか?

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今から花嫁衣装に身を包まれた新婦との初対面「ファーストミート」が始まろうとしています。

 

 

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扉が開き、新婦近ずく・・・<トントン>・・(新郎振り向く)・・

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「うわっ!やばい!!」(新郎)

 

 

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新婦のあまりにも綺麗な姿に思わず「やばい!」ってコメント。笑
感動の言葉として「やばい」は私の世代(おじさん)ではあまり使いませんが、この時はなんかいいなーって思いました。

 

 

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今日の日を迎えるにあたって、いろんな不安を抱えていた新婦さん。
新郎の喜びようを見てホッとしたのか涙が・・・

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それを優しくぬぐってあげるやさしい新郎さん。
かわいい新婦に自分からくっついていきます。笑

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このファーストミート。海外では結婚式の前に新婦の花嫁姿を見ると幸せになれない。といういわれからきているようですが、自分で調べたわけではないのでその真偽は定かではありません。


ただ私はすごく良いものだなと思っていて、結婚式業界で働いている側からすると見慣れた衣装姿でも、結婚式を挙げるお二人やご家族からすると、花嫁姿を初めて見る瞬間は感慨深いものだと思います。
だからその瞬間を過度な演出にしないまでも、サービス側が気を配ることは必要だなと思います。

 

 

 

 

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さて、今日はこれだけではありません。
待っていたのはファーストミート第2弾。
家族だけの結婚式に内緒で駆けつけてくれ挙式に出席された友人たちが、お色直しまで待っていただいていたので、
ご提案によりカクテルドレス色当てファーストミート。(勝手に私が決めました。笑)

 

友人たちはそれぞれ「ピンク」「青」「紫」と予想。

さてその結果は・・・?

 

 

 

 

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「わぁ~黄色~!!」

 

今回の10人の家族+3人の友達だけウエディング。

この日の太陽と同じように、とてもあたたかい結婚式になりました。

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この続きはまた次回のブログで。